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ミードは、美味しいはちみつ酒です。

topページ > みつばち図書館 > はちみつ酒(ミード)の作り方とおいしい飲み方
 

ミードは、人類最古のお酒?

人類最古のお酒って、何でしょう? ワインでしょうか、ビールでしょうか・・? 

実は、はちみつのお酒、mead(ミード)なのです。
ビールの起源が、メソポタミア文明の紀元前4千年頃で、ワインの起源が、中石器時代の
紀元前8千年頃といわれています。
ミードはというと、それらよりもずっと前の、紀元前1万2千年頃といわれています。

ミードと人類の最初の出会いは、こんな感じです。
森の中で、クマに襲われたミツバチの巣に雨水が溜まり、はちみつと混ざりました。
そして、空中の酵母菌がその中へ落下し、発酵してミードになりました。
そのミードを、たまたま通りがかった狩人が見つけて飲んだ、という言い伝えがあるのです。

これを読むと「えっ!? 、はちみつと水を混ぜて、酵母菌が入ればお酒ができるの?」
と思うでしょう。 そうなんです、ミードは、こんなにも簡単にできてしまうのです。
それは、はちみつの主要糖分であるブドウ糖と果糖が、糖の最小単位である単糖類で、
酵母菌がそれを食べて、簡単にアルコール発酵ができるからです。

簡単だけど作っちゃダメ

ミードは、ハニーワインとも呼ばれ、北欧の寒くてブドウが栽培できない国々でも好んで
飲まれるお酒です。
実際の作り方は、ビンにはちみつと水を、1:2 〜 1:3 の割合で混ぜます。
この割合は、個人の好みですね。
それに、茶さじに一杯のドライイーストを加えて、フタをします。
この時、フタをしっかり締めてしまうと、発酵でビンの内圧が高まり、開けたときに吹き出して
しまうので、注意が必要です。軽くフタをかぶせる程度でいいでしょう。
夏場は1週間ほど、冬場は3週間ほどで、おいしいミードが出来上がります。
はちみつは種類により、味や風味が異なるので、自分好みのミードを作るのも楽しいですよね。
でも、個人がお酒を作ると、密造酒製造で酒税法違反になるので、ご注意!

ミードは、日本ではあまり馴染みのないお酒ですが、ポーランドをはじめ、アメリカ、カナダ、
オーストラリアなどで品質の高いミードが生産されて、日本でも販売されています。
冷蔵庫でキンキンに冷やして飲むと美味しい、食前のデザート酒です。

ミードが語源になったもの

ミードに、ハーブやスパイスを漬け込んだものを、metheglin(メセグリン)といい、飲むと血行
が良くなり、健康に良いことから「薬」medicine(メディスン)の語源といわれています。
イギリスの女王、エリザベスT世は、健康のためにメセグリンを愛飲していたとか。
また、風邪を引いた子供に、風邪薬の代わりに、熱でアルコールを飛ばしたメセグリンを飲ませ
るという民間療法もあるのです。

また、中世ヨーロッパのゲルマン民族は、結婚すると、新婦が一ヶ月間ミードを作るという
習慣がありました。作ったミードを新郎に飲ませて、子作りに励んだことから、はちみつの
一ヶ月=蜜月(honeymoon)で、ハネムーンの語源にもなっているのです。
これは、はちみつに強壮作用があると考えられたことと、子沢山のミツバチにあやかった為
といわれています。