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CCDは、未だ原因が解明できていない深刻な状況なのです・・

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蜂群崩壊症候群の原因とは?

蜂群崩壊症候群

みつばちは、蜜を集めに飛んで行っても、必ず自分達の女王バチがいる巣箱へ帰って来るもの
です。しかし、近年、養蜂業で使われる西洋ミツバチが、一晩にして大量に失踪してしまい、
その一群が崩壊してしまう「蜂群崩壊症候群」CCD(Colony Collapse Disorder)と呼ばれる
現象が、たびたび報告されています。

働きバチは、巣に卵があれば、全て孵化するまで巣を放棄したりしません。
でも、卵はたくさん残っているのです。女王バチも、彼らの帰りを待ってます。
巣のまわりに働きバチの死骸がないため、天敵に襲われたというわけでもないのです。
これは、2006年頃にアメリカで大規模発生したのを皮切りに、ヨーロッパや日本を含むアジア
諸国でも報告されています。一体原因は何なのでしょう?

一つには、世界中で広く使われる、ネオニコチノイド系農薬の影響が考えられています。
金沢大学の研究チームが、低濃度のネオニコチノイド系農薬を含むエサを食べたミツバチの
帰巣本能が薄れ、群れが崩壊してしまうという、CCDに似た現象が起こることを指摘しました。
フランス、ドイツ、イタリアでも、ネオニコチノイド系の農薬の影響が懸念されており、2013年12月からEU全域で、ネオニコチノイド系の農薬の使用が原則禁止になりました。

日本でも、使用削減が求められているものの、農薬メーカーの「科学的根拠がない」という
理由で、使用禁止には難しい状況が続いています。というのも、CCDには、他にも様々な原因
が考えられているからです。
遺伝子組み換え作物による影響、温暖化などの環境変化、ウィルス性の病気、ミツバチの過労
によるストレス、携帯電話の電波など・・
何か特定の原因があるのか、それとも色々な条件が重なって影響しているのか・・?
いずれにせよ、ネオニコチノイド系農薬による影響は見逃せません。

農薬メーカーも、化学的根拠がないなどと悠長なことを言ってる場合ではないのです。
何故ならミツバチは、はちみつやビーポーレンなどの生産以外にも、ポリネーションという
人類にとって重大な仕事をしているからです。ポリネーションとは、植物の受粉を行うことで
人間の食料の30%の生産を担っているといわれています。

CCDは、単に何かしらの原因で、ミツバチが失踪しているだけだと考えるのは間違いです。
この現象は、自然環境の破壊や、技術発展に伴う環境汚染の結果が「人類の崩壊」だという、
ミツバチからの警告なのです。