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近代養蜂の父、ロレンゾ・ラングストロス

topページ > みつばち図書館 > ラングストロス式養蜂箱とは?
 

ラングストロス式養蜂箱が起こした革命

現代の養蜂業が飛躍的に進化したのは、1851年にアメリカの牧師であったロレンゾ・ラングス
トロス氏が考案した、養蜂箱のおかげだといわれています。
「ラングストロス式養蜂箱」は、現在、世界の75%以上の養蜂家が使用しており養蜂業のスタ
ンダードになっています。

革命以前の養蜂箱とは?

では、ラングストロス式養蜂箱と、それ以前の養蜂箱では、一体何が違うのでしょう?
以前の養蜂箱は、土や粘土で作ったもの、わらや草を編んで作ったもの。また、ゴムの木の洞を
養蜂箱にしたものでした。

粘土の養蜂箱 ハニカム構造

いずれも閉鎖空間を作っただけの養蜂箱です。
その中に、ミツバチが巣を作るといった単純なものでした。

これらの養蜂箱では、巣は、内壁にくっついているため取り出すことができず、ミツバチの
健康状態など、内部の様子が確認できませんでした。
また、はちみつを採取するときは、養蜂箱のミツバチに煙をかけて追い出すか、殺して、
はちみつの溜まった巣を取り出すしかありませんでした。
そして、万力などで巣を潰して、はちみつを採取していたのです。
巣は、ミツバチのお腹の分泌腺から出る「蜜ロウ」で作られるため、それがはちみつに多く
混ざり、ロウの独特の匂いが残りました。

革命を起こしたラングストロスの養蜂箱 ラングストロス式養蜂箱

近代的な養蜂箱の一番のポイントは、ミツバチを殺すこと
なく、はちみつを採取できるところにあります。
それを可能にしたのは、ラングストロス式養蜂箱の可動式
巣枠です。
これは、巣枠とよばれる木でできた枠で巣板を固定し、
巣板どうしを6〜10oの間隔にして、複数枚の巣板を養蜂
箱の中に立てて差し込む構造になっています。

これにより、巣板を引き出して簡単に中の様子を観察できるようになりました。
また、 ミツバチを優しく払うことで、はちみつがたっぷり溜まった巣板を簡単に取り出すこと
ができるようになりました。

遠心分離機

その後、1865年にオーストリアのフルシュカによって
考案された遠心分離機が登場します。
この遠心分離器に、はちみつが溜まった巣板をセットし、
遠心分離により、巣を壊すことなくはちみつを採取できる
ようになりました。
これにより蜜ロウが混入する割合が減り、より品質の高い
おいしいはちみつの生産ができるようになりました。
また、巣の残った巣板を、そのまま巣箱に戻すことで、ミツバチが巣を再構築する負担を無くし
再利用が可能になりました。これにより、近代養蜂は飛躍的に発展したのです。