「マヌカハニー」と呼ばれるはちみつを知ってますか?
ニュージーランドの特産品として有名ですが、世界的に知られるようになったのは、結構
最近になってからです。1800年代初頭に、ニュージーランドで養蜂が始まりましたが、
当時のマヌカハニーは下等品として全く人気がありませんでした。
1900年代に入っても、マヌカハニーを家畜のエサに混ぜて与えていたほど・・
しかし、そのエサを食べた牛は、他の牛がかかる病気にはならならなかったことから、
マヌカハニーには、他のはちみつには無い特別な力があるのではないかと言われていました。
しかし、
当時は、その「特別な力」の正体が何なのかは分かりませんでした。
一体、マヌカハニーとは、どんなはちみつなのでしょう?
マヌカとは、原住民族であるマオリ族の言葉で「復活の木」という意味を持つ植物です。
木は4m程の高さまで育ち、12月から約4週間にわたって桜に似た小さな花を咲かせます。
マオリ族は、マヌカの葉から採れるオイルに、強い抗菌力があったことから重宝し、病気や
ケガの治療にも使ったといわれています。
マヌカの花からは、少しスパイシーでクセのある甘味のはちみつが採れますが、このはちみつ
にも強い抗菌力があると分かると、世界中から注目され始めたのです。
どんなはちみつにも抗菌力はあります。その正体は「過酸化水素」です。
はちみつのグルコースオキシダーゼという酵素と酸素が結びついてできる物質ですが、その
抗菌力はとても強力なために、はちみつは何年経っても傷みません。
しかし、マヌカハニーは過酸化水素以外にも、何か特別な抗菌物質があるのではないか?
ということで研究が進められたのです。
そして、1982年にニュージーランド・ワイカト大学のマヌカハニー研究の第一人者である
ピーターモラン博士によって、マヌカハニーには特別な抗菌活性があることが認められました。
しかし、当時は、その抗菌活性を生む物質の正体が何なのか、まだ分かりませんでした。
博士は、このマヌカハニー特有の抗菌活性を、UMF(ユニーク・マヌカ・ファクター)と呼び
注目を集めました。
UMFを生む物質の正体は、2008年にドイツ・ドレスデン工科大学のトーマス・ヘレン教授
により、メチルグリオキサル(MGO)という物質だと解明されました。
マヌカハニーは自然界で、このMGOを100g中に、2〜80r以上を含む唯一の存在です。
全てのはちみつが持つ抗菌物質「過酸化水素」は、人間の唾液や血液中のカタラーゼという
酵素で分解されてしまうために、はちみつを食べてしまうと抗菌力を失ってしまいますが、
MGOはカタラーゼの影響を受けません。また、熱や光にも強いことから、MGOが生みだす
強力な抗菌力が注目され、マヌカハニーが世界的に有名になったというわけです。