春先に、花畑から帰ってきたミツバチを見ると、後ろ足に何かカラフルな玉を付けていますよ。
そんなミツバチを、アメリカの哲学者であるエマーソンは「黄色い半ズボンの哲学者」なんて
洒落た表現をしましたが、実は、これは花粉なんです。
ミツバチは、花の蜜を摂るために体を花に突っ込むので、体中が花粉だらけになります。
それを手足を器用に動かして集めると、丸めて固めて、後ろ足の「花粉カゴ」と呼ばれる部分に
くっつけて巣に持ち帰るのです。
このダンゴになった花粉は、ビーポレン(beepollen)といいます。
bee(みつばち)、pollen(花粉)で、ビーポレン
また、「みつばちのパン」なんてかわいい呼び方もあります。
ミツバチは、ビーポレンを自分たちの食料にします。幼虫を育てたり、冬を越すための保存食
にもなります。唾液に含まれる酵素で固められているので、保存性は抜群です。
ビーポレンは、一粒10万〜500万個の花粉からできていて、その内25%はタンパク質です。
また、18種類以上のアミノ酸、12種類以上のビタミン、28種類以上のミネラル、11種類以上
の酵素、14種類の脂肪酸が含まれていて、しかも低カロリーです。
花粉は、植物の生殖細胞ですから、葉や茎など、他の細胞とはケタ違いに栄養価が高いのです。
ビーポレンは、毎日元気によく働くミツバチたちのパワーの源なのです。