はちみつの原料は、花の蜜ですが、その主成分は水分とショ糖です。
では、何故はちみつには、様々なビタミン、ミネラル、その他の栄養素が含まれているので
しょう?
それは、花粉が入ってるからです。
みつばちは、自分たちの食料として、花の蜜と一緒に花粉も集めて来ますが、それがはちみつに
混ざるのです。
みつばちは、花が咲く春から秋のシーズン中には、お花畑と巣箱を何往復して重たい蜜や
花粉を運びますが、あの小さな体で飛び回るには、相当のエネルギーが必要です。
だから、食べるとすぐにエネルギーになる単糖類が主成分の蜜に、栄養豊富な花粉の入った
はちみつが必要なのです。
花粉は植物の生殖細胞であり、他の器官の細胞とは比べ物にならないほど栄養素が含まれて
います。それに加えて、生命の源というべき核酸(DNA、RNA)が、豊富に含まれているため、
はちみつが健康に良い食品の代表格になったのです。
では、はちみつに、どのような栄養素が含まれているか見てみましょう。
はちみつの成分の内、約8割を占めるのが、ブドウ糖と果糖です。
ブドウ糖と果糖は、はちみつの種類によりますが、だいたい半分ずつの割合で含まれています。
どちらも、これ以上消化の必要がない単糖類で、胃を煩わせずに吸収することができます。
吸収された糖分は、肝臓でエネルギー源であるグリコーゲンになります。
また、摂りすぎて肝臓が処理しきれなかった分は、脂肪になってしまいます。
はちみつのブドウ糖も、体に吸収されると肝臓に運ばれてグリコーゲンになりますが、
もう一つの糖分である果糖は、吸収される速度がブドウ糖の半分ほどなので、緩やかに
血糖値を高める作用があるのです。
つまり、砂糖であれば、血糖値が一気に上がるとすぐに下がり、また甘いものが食べたくなる
という悪循環になってしまいますが、はちみつは、緩やかに血糖値を上げると、しばらく
その状態をキープできるのです。
エネルギー源としても大変に優秀ですし、脂肪になりにくいため、はちみつは砂糖に比べて
太りにくいといわれているのです。
はちみつのビタミンは、花粉に由来するものです。
美肌に良いとされるB2やB6をはじめ、人間の生命活動に必要な多くの種類のビタミンが
含まれています。はちみつのビタミンの特徴として、その90%以上が良質な活性ビタミンだと
いうことです。
ビタミンは「活性型」と「不活性型」の二つに大別できます。
人工的に作られたサプリメントなどのビタミンは不活性型で、多量に摂取しなければ、その
働きを期待できません。しかし、はちみつのビタミンは活性型であり、少量でも安定して
働いてくれる良質の天然ビタミンなのです。
ビタミンは、熱を加えると壊れてしまうので、非加熱の天然はちみつをオススメします。
また、ビタミンに限らず、その他の栄養素も花粉由来のものが多いため、花粉含有量の多い、
天然のはちみつをオススメします。
はちみつの色は、はちみつに含まれるミネラル分に由来しているため、色が濃いほどミネラル
の多いはちみつといえます。はちみつのミネラル分の内、特に多いのがカリウムです。
カリウムは、余分な塩分を体外へ排出する働きがあるため、不足すると高血圧を引き起こし
ます。その他にも、マグネシウム、鉄分など、健康的な血液循環に必要なミネラルが多く含ま
れています。
はちみつのポリフェノールは、植物花粉由来のもので、多種類のものが含まれています。
ポリフェノールには、活性酸素を除去する働きの抗酸化作用や、血栓をサラサラにして
動脈硬化の予防に働く作用があります。
活性酸素は、様々な疾患を引き起こしたり、細胞を破壊し老化を早める働きがあるため
ポリフェノールは、アンチエイジングの観点からも注目されている栄養素なのです。
タンパク質は、20種類のアミノ酸で構成されますが、この内、人間が体内で合成できない
アミノ酸を、必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)といいます。
トレオニン、リジン、トリプトファン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、
イソロイシン、ヒスチジンの9種類。
人間の細胞は、常に新しく生まれ変わり、生命活動を維持します。
その材料となるアミノ酸は、大切な物質で、不足すると疲れが取れない、肌荒れが気になる
などの症状が出てきます。
必須アミノ酸は、食物から摂るしかないのですが、はちみつにも多くの必須アミノ酸が含ま
れているのです。
はちみつ中に存在する有機酸の内70%が「グルコン酸」です。
グルコン酸は、ブドウ糖が、みつばちの酵素で酸化された、糖酸の一種です。
グルコン酸は、有機酸の中で、唯一大腸まで届き、善玉菌を増やして悪玉菌を抑えるという
整腸作用のある有機酸なのです。
はちみつ中の酵素は、みつばち由来の天然酵素です。
酵素とは、タンパク質からできた生体触媒のことで、生命活動で起こる体内での化学変化を
促進させる物質です。
例えば、消化についていうと、アミラーゼという消化酵素が働き、ご飯のデンプンをブドウ糖
に分解して、腸で吸収できるようにするといった感じです。
はちみつ中の天然酵素は、アミラーゼ(ジアスターゼ)、ホスファターゼ、カタラーゼ、マルター
ゼ、サッカラーゼ(インべルターゼ)などがあります。
この中のサッカラーゼは、もともとショ糖である花蜜を分解して、はちみつの主要糖分である
ブドウ糖と果糖にする働きがあります。
天然酵素は熱に弱いため、非加熱の天然はちみつをオススメします。