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越夏管理の3つのポイントとは?

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大切なのは貯蜜と強盛群の維持

暑い夏は憂鬱になりますね・・
人間が「暑いの嫌だ〜」と思ってるのと同じで、ミツバチも夏の暑さはニガテです。

この厳しい夏を乗り越えるための越夏管理は、養蜂業において大変重要です。
それは、越夏に成功するかどうかで、後に控える養蜂最大の難関である越冬に影響が出てしまう
からです。

冬は、巣箱の中でミツバチが蜂球を作り、羽をぶるぶる震わせて発生した熱で厳しい寒さをしの
ぎます。ミツバチの数が多ければ多いほど省エネで暖を取ることができるため、余力を残して春
を迎えることができれば、そのシーズンはより多くのはちみつを作ることができるのです。
それで、夏は最低でも10枚群(約2万匹)で越せるように管理しなければなりません。
越冬を成功させる重要なポイントは越夏を成功させることであるため、その管理がとても重要に
なるのです。

越夏を成功させるポイント1 貯蜜

まず、越夏を難しくする第一要因は、蜜源が少なくなることです。
ミツバチにとって「貯蜜」は、人間でいう「貯金」と同じものなので、もし巣箱内に貯蜜が少な
ければミツバチが焦り、蜜を求めて飛びまわることになります。
この重労働がミツバチの寿命を縮めることになり、越夏に失敗する要因になります。

越夏期は女王蜂の産卵がストップするため、育児に費やす体力を温存できる分、夏の働き蜂は
寿命が長くなります。(春の働き蜂の寿命1〜2ヶ月に対して3か月ほど生きる)
しかし、貯蜜が少なければ蜜集めで体力を使い、寿命を縮めることになることになります。
また、この時期に発生する盗蜂被害を防ぐためにも、各蜂群に貯蜜を豊富に持たせることが越夏
の重要なポイントになるのです。

貯蜜が無くなると最悪の場合、ミツバチが逃去(巣箱から逃げて帰ってこなくなる)してしまう
ため、越夏前はなるべくはちみつを回収しない方が得策です。
もし、貯蜜が少なくなってきたら、すぐに水とザラメを1:1で混ぜた糖液を給餌しましょう。

越夏を成功させるポイント2 強盛群

強盛群といっても春先の健勢と違い、夏は女王蜂の産卵がストップするため、ここでいう強盛群
とは蜂群を合同して平均するという意味です。

蜂群合同法についてはコチラ→ 蜂群合同法で越夏管理

蜂群の勢力が不均等であると、盗蜂の被害が出てしまいます。
強群の盗蜂に狙われた弱群は、貯蜜を根こそぎ奪われて餓死してしまうため、合同で最低でも
10枚群で各蜂群を平均し、同等の力を持たせることで盗蜂被害を防ぐことができるのです。

越夏を成功させるポイント3 水

夏は外気温が40℃近くになる日もありますが、ミツバチの巣箱の中は、それよりも低い温度(蜂
球標準温度36℃)で保たれます。
それは、ミツバチが外から運んできた水を、羽をはばたかせた扇風で蒸発させ、巣箱内の気化熱
をクールダウンさせているからです。

よって、越夏には「水」が必要不可欠になります。
養蜂場の近くに池などの水源があればいいのですが、もし無ければ、溜め池を作るか、大きな
容器に水を入れて供給できるようにしなければなりません。
この場合、ミツバチが池に落ちて溺れ死んでしまわないように、小枝などを浮かして足場を用意
する必要があります。

以上、越夏管理を成功させる3つのポイントでしたが、これらをどんなに注意しても、夏にはミ
ツバチは減るものです。あまり神経質にならないようにしましょう。
また、暑い日は余計な体力を使わないように巣箱内で休むミツバチが目立ちますが、「元気が無いのかな?」と余計な心配をする必要もありません。ゆっくり休んで体力を温存し、暑さをやり
過ごしているだけなのですから。

以上のことから、越夏管理とは、最低10枚群の強群に十分な貯蜜と水場を用意してやり、余計な
刺激を与えずにのんびり過ごさせてやることです。