みつばちにも性格があります。
その性格は、産卵する女王蜂とオス蜂の遺伝によって決まるため、群殖(蜂群を増やす)するに
してもやはり「良い子」がたくさん欲しいですよね。
では、養蜂業で良いみつばちといったら、どんな子たちでしょうか?
それは、はちみつをたくさん作れる(集蜜力が高い)みつばちですね。
その他にも、女王蜂の産卵力、分蜂性、耐病性、越冬力、おだやかさ、という性格があります
が、やはり「集蜜力」がいちばん大切な要素です。
なぜ、集蜜力がいちばん大切なのかというと、もちろん養蜂の目的がはちみつをたくさん作る
ことだからですが、集蜜力を見れば、@女王蜂の産卵能力、A分蜂性、B越冬力もある程度
判断できるという理由があるからです
。
@集蜜力が高いということは、働きばちの数が多いということなので、女王蜂の産卵能力が高い
と判断できます。
Aもし、分蜂性が高い蜂群だと、すぐに分蜂熱をおこして蜜を集めなくなります。
それで、集蜜力が高ければ、分蜂性が低くてよく働く性質であると判断できます。
Bまた、越冬力が弱ければ、冬を越せずに死んでしまう働きばちが多くなり、春に健勢(働き
ばちを増やすこと
)が遅れて集蜜できなくなります。
それで、集蜜力が高ければ越冬力も高い蜂群だと判断できるのです。
集蜜力は、数シーズン観察していれば蜂群間で差があることが分かりますので、集蜜力の高い
蜂群から女王蜂を選び、より優秀な蜂群を養成しなければなりません。
もし、同じくらいの採蜜量であれば、おやかな性格の方を選ぶといいですね。
毎日世話をしていれば、おだやかな性格なのか、すぐに攻撃してくる怒りっぽい性格なのか判り
ますよね。また、病気(腐蛆病など)に強いかどうかは、これも毎日世話をしていく中で判断し
ていくしかありません。
みつばちの交尾は空中で行われるため、人工授精でもしない限り、目的の性質を持つオス蜂の
遺伝子を手に入れるのは困難です。よって、優秀な蜂群をつくる上でいちばん大切なことは、
女王蜂の養成ということになります。
次回から、集蜜力の高い蜂群より、優秀な女王蜂を得るための「自然養成」と「人工養成」の
2つの方法について勉強したいと思います。