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自分で蜂群を増やすなんて、カッコ良くないですか?

topページ > みつばち図書館 > 分蜂を利用して蜂群を増やす方法
 

蜂群を増やしてみよう!

分蜂は、養蜂業にとって不利なことばかりではありません。
上手に分蜂させれば群殖(蜂群を増やすこと)することができます。
とくに、流蜜期に分蜂で群殖できれば、立派に採蜜ができる蜂群に育ちますので、それをチャン
スととらえて、いくつかの蜂群で分蜂させてみるといいでしょう。
蜂屋さんでみつばちを買えば、一群4万円前後します・・(けっこう高い!)
自分で群殖すればタダですし、それを人に売ることだってできますよ。
それに、養蜂場には、たくさんの巣箱が並んでいる方がカッコいいですもんね。

スムーズに分蜂群を回収する方法とは?

でも、分蜂して飛んで行ったミツバチ達を、どうやって捕まえましょうか?
近くの低い木の枝にでもとまっていれば、簡単に回収できそうですが、そんな都合のいいこと
はしょっちゅう起きません。
それなら、ミツバチ達が遠くに飛んでいかないようにすればいいのです。
いったいどうやって?

それは、女王蜂のはねを切ってしまうのです。
はねを切ってしまえば、女王蜂は飛ぶことができませんから、働きバチが先に飛んで行っても
「あれっ?女王様がいないぞ・・」となると、遠くにいけず、近くの木の枝に蜂球を作ってとま
ります。それで、女王が元の巣箱のあたりで飛べずにまごまごしているのがわかると、女王のも
とに戻ってくるのです。

女王蜂が空を飛ぶのは、交尾をするときと分蜂するときだけで、それ以外は、巣でひたすら卵を
産みます。それで、交尾を終えた女王蜂のはねは、無用の長物なのです。
片方の大きなはねを半分切るだけで十分。ちょっと見た目が悪くなって可哀そうですが、死には
しませんからね。
また、はねを切る以外にも、自動分蜂機という便利なものもあります。これは、体の小さな働き
ばちは通れるけれど、大きな女王蜂は通ることができないサイズの穴がほどこしてあるカゴのよ
うな装置で、巣門に付けてつかいます。
先に働きばちが飛んで行っても、女王蜂はカゴに捕えられて飛んで行けないということですね。

働きばちが飛んで行ったあと、女王蜂をみつけて回収したら、もとの巣箱をいったんよそに移し
て、そこに新しく用意した巣箱をおきます。
その巣箱の巣門の前に女王蜂をおいておけば、働きばち達が戻ってきて新しい巣箱に入っていく
のです。

みつばちは、いったん自分たちの巣の位置を記憶すると、必ずその場所へ戻ってくる習性がある
ため、巣箱の位置を変えてしまうと、みつばちが「あれっ?巣がないぞ」となり、混乱を引き起
こしてしまうため、原則として巣箱の位置は変えられません。
しかし、分蜂したミツバチは、前の蜂群から完全に独立したものですので、巣箱の位置を変えて
も大丈夫。その新しい巣箱の位置を覚えなおします。
それで、分蜂したミツバチを新しい巣箱に回収できたら、すぐに目的の場所へ移し、元の巣箱を
その場所へ戻して群殖の完了です。

分蜂群は、はたらき者

分蜂熱を起こしたミツバチは、ちっとも働かなくなりますが、いったん分蜂してしまうと、まる
で生まれ変わったように働き者になります。
そこで、この働き者たちに巣礎枠を与えて、巣脾を作らせるといいでしょう。
しかし、一つ注意点があります。
巣礎枠だけでは、ミツバチ達が嫌って逃げてしまうことがあるので、よそから王台を全て潰した
有蓋蜂児枠を一枚持って来て、新しい巣箱に入れておくのです。
蜂児がいることで、働きばちの母性本能に訴えかけてつなぎとめる作戦です。
また、新しい巣箱には貯蜜がありませんので、貯蜜枠を与えるか、糖液を給餌することもお忘れ
なく。

分蜂熱を起こされるとみつばちが仕事をしなくなることや、分蜂されると数が減って採蜜に不利
になることなど、ネガティブな面が目立ちますが、上手に分蜂させて増やせば、より豊かな養蜂
ができるのは間違いありませんね。