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枯渇期の脅威、盗蜂とは?

topページ > みつばち図書館 > 盗蜂、ミツバチがミツバチを襲う?
 

みつばちの敵はミツバチ?

ミツバチには、いろいろな敵がいます。
空を飛んでいれば鳥に食べられることもありますし、クモの巣に引っかかるものもいます。
秋になれば天敵であるスズメバチが襲いかかってきますし、山の中ではクマが大好物のはちみつ
を求めて襲ってくることもあるでしょう。
しかし、ミツバチの敵は他の生物とは限りません。ミツバチがミツバチを攻撃して滅ぼしてし
まうことだってあるのです。「えっ!そんなことあるの?」と思うでしょう。
なぜ、ミツバチ同士で争う必要があるのか?

恐ろしい盗蜂とは?

ミツバチ同士の争いは、同じ巣の中ではなく「巣」対「巣」の蜂群同士で起こる、はちみつの
略奪のことです。
はちみつを略奪することから、このミツバチのことを「盗蜂」といいますが、厳密には蜜源植物
以外から蜜を採るものを盗蜂といいます。
これは、早春や越夏期の花蜜の枯渇が原因として起こりますが、これらの時期のミツバチは蜜に
飢えているために、甘い匂いにものすごく敏感になっています。
いったん盗蜂が起こると、被害群は貯蜜が無くなるまで略奪されてしまうので、餓死して巣が崩
壊してしまいます。

早春は、流蜜期に向けて健勢(ミツバチを増やすこと)を図るため、この時期は絶対に盗蜂を起
こさせないように警戒しなければなりません。
また、早春の盗蜂は、じきにやってくる春の流蜜期で治まりますが、越夏期の盗蜂は早春のもの
とは比べ物にならないほど強烈で盗蜂癖もなかなか治まらないのでとても厄介なのです。

盗蜂を起こさせないために気を付けること

枯渇期に盗蜂を誘発するものは「甘い匂い」です。
よって、流蜜期以外は、外に甘い匂いのするものを出しておくことは厳禁です。
例えば、貯蜜巣脾、ミツロウ、給餌用の砂糖や糖液などを外に出しっぱなしにしたり、それらを
保管している倉庫から匂いが漏れるような隙間があってはなりません。
内検を行うときも貯蜜の匂いが漏れるため、長時間の巣箱の開けっ放しに注意が必要です。

また、常に蜜切れを起こさないように、ミツバチの活動が終わる夕方から給餌を行い、各蜂群に
十分な貯蜜を持たせなければなりません。
特に、夏のはちみつの回収作業時に、しつこくまとわりついてくるミツバチが出たらそれは盗蜂
で、これが出だしたら流蜜が終わる頃だと判断できます。
その場合、貯蜜がたっぷりあったとしても、次に続く流蜜がなければ回収せずに残しておいて
いいでしょう。

盗蜂に狙われるのは、抵抗力の弱い無王群や弱小群なので、全ての蜂群を有王群にして群勢を
平均しなければなりません。
平均して強盛群であれば、盗蜂が起きたとしても貯蜜を守ることができますが、弱小群では守る
ことができず搾取されてしまいます。また、無王群というのは女王蜂がいない蜂群のことで、
まるで大将がいない軍隊のように気弱になっているため貯蜜を守ることができないのです。

盗蜂被害が起きたら・・

盗蜂はいつもよりせわしなく、甲高い羽音で飛びまわるので見分けがつきます。
もし、花蜜の枯渇期にもかかわらず、巣門での出入りが激しい巣箱があれば、それは盗蜂の加害
群か被害群の可能性があります。
巣門から出てくるミツバチのお腹が太ければ蜜を吸っているわけですから盗蜂で、その巣は被害
群のものと判断できるでしょう。

その場合は、盗蜂と思われるミツバチに小麦粉でも振り掛けて、どれが加害群の巣箱なのかを
突き止めなければなりません。また、加害群は一群とは限らないため注意が必要です。
そして、加害群以外の巣箱は巣門を縮小して防御力を高める必要があります。
盗蜂は一度起きてしまうと、次の流蜜期が始まるまでは、なかなか自然に治まりませんので、
夜間に加害群と被害群のどちらかの巣箱を、ミツバチの活動範囲である2qよりも遠くに移動
させて近づけないことが一番確実な解決法です。
遠距離に移動させることができない場合は、こまめに内検をして常に蜜切れを起こさないように
夕方以降に給餌することで盗蜂被害を最小限に抑えなければなりません。