みなさんも、趣味でミツバチを飼ってみたいと思う人もいるでしょう。
自分の庭でミツバチを世話して、はちみつが採れたらうれしいですよね。
でも、どうやってミツバチを手に入れましょう?
日本ミツバチなら、キンリョウヘンという東洋ランの一種を外に置いとけば、それに群がって
きて、蜂球を作ってぶら下がるようにとまります。それを捕獲して巣箱に入れてやればいいの
です。なぜキンリョウヘンに群がって来るかというと、ニホンミツバチを誘因する物質が出て
いるからです。
しかし、養蜂業でレギュラーとして使われている西洋ミツバチは、日本ミツバチと違い、キン
リョウヘンに誘引されません。では、どうやって手に入れましょう?
それは、養蜂家から分けてもらうか、西洋ミツバチを専門に販売している業者から買うしか
ないのです。では、早速、蜂屋さんに注文しましょう!
西洋ミツバチを飼う前に、飼う場所(蜂場)と必要な数の巣箱を用意しなければなりません。
蜂場の選定についてはコチラ→ 養蜂をするのに理想の場所とは?
西洋ミツバチは、輸送箱とよばれる箱に巣脾と共に入れられて届けられます。巣箱は巣門を東か南向き、もしくは東南に向けておかなければなりません。
これは、ミツバチが日光をより感じられるようにすることと、冬に北西の冷たい風が巣門に
吹き込むのを防ぐためです。
巣箱は、直に地面に置いてしまうと腐食を早めてしまいますので、ブロックなど下に敷いて
その上に設置します。また、万が一、巣箱に水が入ってしまった場合のことを考えて、巣門側
の反対面をすこし高くお尻をあげる形で設置すると、巣門からの排水ができるようになります。
巣箱が複数ある場合は、ミツバチが自分の巣箱がどれだか迷わないように、なるべく広い間隔
で設置したいところですが、横に2m、縦に3mくらいの間隔をあけて設置すれば十分です。
届けられたミツバチは、晴れた日に輸送箱から用意した巣箱に移し替えますが、結構な数の
ミツバチが死んでいるのに気が付くでしょう。輸送中に死んでしまうミツバチは多いのであま
りビックリせずに、こんなもんなんだと思ってください。
そして、移し替えたら、以下の内容を検査しなければなりません。
@ 女王バチはいるか?
女王バチは、働きバチよりも体力があり、また大切に守られるため輸送中に死ぬことはめった
にありませんが、無事を確認することは必要です。
働きバチが密集しているので、なかなか見つけられない場合もありましょうが、もし本当に
女王バチがいなくなっていれば、働きバチがはねを震わせて騒いでるでしょうし、もう少し
時間が経てば変成王台が作られるはずです。
しかし、そういったこともなく、女王バチも見つからないということになれば、三日後に卵が
あるかどうかを調べれば確実です。
今ある卵は三日で孵化するので、それ以降に卵があれば女王バチがいて、産卵しているという
ことになるからです。
もし、本当に女王バチがいなかった場合、複数の蜂群を購入していれば、変成王台から新女王
が生まれてきて、よその蜂群の雄蜂と交尾に成功すれば、数日後に産卵が始まれば問題ありま
せん。(女王バチは近親交配を避けるために、必ず空中を飛びながら他の巣箱の雄蜂と交尾す
るため、巣箱内での交尾は行われません。)
しかし、一群しか購入しなかった場合、まわりの環境に他の蜂群がいなければ交尾も行われず、
産卵も始まらないのでじきに崩壊してしまいます。
その場合は、購入先に問い合わせて対応してもらいましょう。
A 巣脾が壊れていないか?
輸送中の振動で巣脾にひびが入っていたり、割れていたりしたら、割竹などで両面から挟むよう
に補強して両端を糸でくくっておきます。じきに働きバチが修復します。
B 貯蜜はあるか?
春の流蜜期であれば問題ありませんが、流蜜の時期がまだ先の場合や、夏の無蜜期に貯蜜がな
ければ給餌しなくてはなりません。もし、ミツバチに元気がなく弱っている場合は、薄めにし
た砂糖水かはちみつを霧吹きでかけてやれば少し元気になります。
それから給餌器で給餌をし
ます。もし、給餌器がない場合でも、ガラスや瀬戸物の器で給餌することは避けましょう。
ガラスや陶磁器は、ミツバチが足をかけるところがないためツルツルすべり、落ちて溺れ死ぬ
ことがあるからです。給餌器は木でできていますのでこちらを使いましょう。
検査が無事に終わったら巣箱のふたを閉めますが、必ず巣枠の上に布を敷きましょう。
これは巣箱内部の保温の役目もありますが、働きバチが巣枠の上にムダ巣を作ったり、プロポ
リス(ヤニ)で巣枠とフタを固定してしまうのを防ぐために必要なものです。