みつばちのコロニー(1つの巣)は、2万〜5万匹の大家族ですが、あまりにも多くなると
「分蜂」します。分蜂というのは、女王バチが、みつばちの半分を引き連れて引っ越し
することで、コロニーが2つになることです。
分蜂が起こる前に、働きバチは、巣にいくつかの王台を作ります。
女王バチは、自分が去った後、次の女王バチ候補になる幼虫の卵を王台に産み付けて、
巣を出る準備をします。
女王バチ候補を複数作るのは、保険の意味があります。
女王バチがいなくなれば、卵を産む者がいなくなり、そのコロニーは滅びてしまうからです。
その後、女王バチ候補の幼虫が孵化して、最初に成虫になったものだけが女王バチになります。
一つのコロニーに、二匹の女王は必要ありません。
新女王は、まだ羽化していないライバル達を、王台から引きずり出して次々に殺していきます。
普段、女王バチは、人間が手でつまんでも刺すことはありませんし、働きバチに毒針を向ける
こともありません。
しかし、女王バチ争いの戦いにおいてのみ、毒針が使われるのです。
同時に成虫になった女王バチ候補は、どちらかが死ぬまで戦い続けます。
その光景はとてもおぞましいものですが、それが、みつばちのオキテなのです。
「みつばちハッチ」の、あの優しそうなお母さんの見方も変わってしまいますね。
そのようにして新女王を得たコロニーは、いつもの日常に戻り、平穏に暮らしてゆくのです。