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女王蜂は不思議で孤独な存在です。

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女王蜂の不思議な生態と仕事

女王蜂は、巣の中に一匹しかいません。
働き蜂よりも二回り以上大きく、数万匹いるミツバチの巣の中でも、ハッキリ分かるほど目立っ
ています。
そんなに違うのなら、女王蜂になる卵や幼虫も特別なのだろうと思ってしまいますよね。
しかし、女王蜂になる卵も、働き蜂になる卵も、全く同じものです。
では、いつ、どうやって女王蜂は誕生するのでしょう?

女王蜂はどうやって誕生するのか?

ロイヤルコート

女王蜂になる幼虫の卵は、巣に作られた「王台」といわれる特別な部屋に産み付けられます。
王台は、働き蜂が巣穴を改造して作り、三角錐のような形の部屋になります。
しかし、王台が特別な部屋といっても、中の卵は働き蜂と同じ卵ですし、孵る幼虫も普通の幼虫
です。

一体なにが違うのかというと、その秘密は「ローヤルゼリー」にあります。
ローヤルゼリーとは、若い働き蜂の咽頭腺から出る非常に栄養価の高い液体です。
どんな幼虫も、卵孵って3日目(正確には60時間)までは、働き蜂からローヤルゼリーを与えら
れますが、働き蜂になる幼虫は、それ以降は花粉やはちみつが食餌になります。

一方、女王蜂になる幼虫は、成虫になっても、一生ローヤルゼリーだけが与えられるのです。
女王蜂になれるかどうかは、ローヤルゼリーに原因があるのです。

女王蜂の仕事

女王蜂の仕事は、一生涯卵を産み続けることです。
その数、なんと一日に1000個以上!
時には2000個ほどの産卵をし、それは自分の体重と同じくらいの重さになるほどです。
なぜ、そんなに産卵をするのか?

その理由は、一つの巣に1〜5万匹いる働き蜂の寿命が、約1ヶ月(冬を越す働き蜂は数ヵ月)と
短く、これを維持するために、冬季と酷暑期以外は毎日卵を産み続けなければならないのです。
こんな過酷な使命を背負って生まれてきたとは・・
女王とは名ばかりで、本当は可哀そうな存在なのかもしれませんね。

女王蜂の不思議なフェロモン

女王蜂

女王蜂には、不思議なフェロモンがあります。
そのフェロモンには、働き蜂を惹きつけて、自分に従わせる力があります。
具体的にいうと、同じメスである働き蜂の産卵能力を抑えることと、自分以外の女王蜂を育てる
ために、働き蜂が王台を作ることを抑える働きがあるのです。
つまり、女王としての自分の立場を守るためのフェロモンなのです。

しかし、歳を取った女王蜂は、このフェロモンの効力が薄くなります。
すると、フェロモンから解放された働き蜂は、新女王蜂を育てるために王台を作りだします。
歳をとった女王蜂は産卵能力が低下している上、いつ死ぬか分からないからです。
新女王が誕生する頃には、旧女王は巣を追い出されて、その生涯を終えるのです。