料理やお菓子作りをする際にレシピを見ると、”砂糖 大さじ1杯” なんて書かれてますよね。
健康的に、はちみつで代用して作ってみようと思う人もいるでしょう。
でも、単純に大さじ1杯の砂糖を、大さじ1杯のはちみつに置き換えていいのでしょうか?
ここで、お菓子作りをしている2人の会話を聞きながら、その疑問に迫ってみましょう。
ある日、友達と手作りのお菓子を作っていた時のことです。
「砂糖の代わりに、はちみつを使おうよ。その方が美味しいし、体にも良いから。」
と、友達がいうので、はちみつを持ってきました。
しかし、レシピに「砂糖大さじ3杯」と書いてあるのに、友達は、はちみつを大さじ1杯しか
入れません。
「1杯で足りるの?」と聞くと、「うん、はちみつは、砂糖の1.3倍も甘味が強いからね。
それに、はちみつは、たくさんの糖分が水に溶けた形になってるでしょう、だから1杯で十分
なんだよ。」というのです。
友達がこのように言った根拠を、正確な数字で見てみましょう。
砂糖大さじ1杯=9g はちみつ大さじ1杯=21gです。
レシピは砂糖大さじ3杯ですので、9g×3杯=27gになります。
はちみつの大さじ1杯は21gですが、砂糖の1.3倍の甘味度ですから、21g×1.3=27.3gになり
ます。それで、砂糖27gとほぼ同じ甘さになるというわけです。
次に、友達はこう言いました。
「同じ甘さなら、砂糖よりはちみつの方が低カロリーなんだよ。」
これも、正確な数字で見てみましょう。
砂糖大さじ1杯=35kcal はちみつ大さじ1杯=65kcalです。
大さじ1杯で比べたら、はちみつの方が圧倒的に高カロリーですね。
しかし、さっきのように、同じ甘さになる条件で計算してみてみると・・
砂糖大さじ3杯=35kcal×3杯=105kcal はちみつ大さじ1杯=65kcal
なんと、38%もはちみつの方が低カロリーになるのです!
砂糖に比べれば、栄養価は段違いにはちみつが豊富です。
その上、少ない量で同じ甘味を付けられて、低カロリーとあれば、砂糖の代わりにはちみつを
使うしかないですよね。
まぁ、値段は、段違いにはちみつの方が高いのですが・・(笑)
はちみつは、砂糖と比べて太りにくいと聞いたことはありませんか?
もちろん先程のように、同じ甘さの条件では、はちみつの方が低カロリーという理由もあります
が、もう一つ重要な理由があるのです。
それは、はちみつの「GI値」が、砂糖よりも低いからです。
GI値というのは、グリセミック・インデックスの略で、その食品を食べたあとの血糖値の上昇
度合いを数字で表したものです。その数字が高いほど、血糖値は急に上がり、数字が低いほど、
血糖値はゆるやかに上がるということです。
はちみつは、砂糖よりもGI値が低いので、血糖値の上昇がゆるやかだといえますが、なぜ、
血糖値がゆるやかに上がる方が太りにくいのでしょう?
それは、「インスリン」に関係があります。
血糖値が上がると、それを下げようと、すい臓からインスリンが出てきます。
しかし、インスリンには血糖値を下げるほかに、ブドウ糖を脂肪にしてカラダにためる働きも
あるのです。
血糖値が急激に上がるほど、インスリンが大量に出てくるので、脂肪が作られる割合が増えて
しまうのです。反対に、血糖値がゆるやかに上がるほうが、脂肪のできる割合が減るため、
GI値が低い食品のほうが、太りにくいといえるのです。
では、はちみつと砂糖に、どれほどGI値の差があるのでしょう?
はちみつGI値=85 砂糖GI値=110
一般的にGI値は、80を超えると高いといわれるので、はちみつも高GI値食品には変わりありま
せんね・・。食べ過ぎには注意が必要ですが、砂糖よりも太りにくいのは確かです。