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はちみつをいっぱい採りたいですよね!

topページ > みつばち図書館 > はちみつを作るにはどれだけの蜜源植物が必要なの?
 

どれだけの蜜源が必要なのか?

いくら養蜂の知識や技術を学んでマスターしても、蜜源植物がなければ話になりません。
豊富な蜜源植物の環境であれば、素人でもたっぷりはちみつを採れますし、蜜源がなければ
どんな大ベテランでもはちみつは採れません。
当たり前のことですが、この蜜源を探すのが結構大変なのです。
それは、花を咲かせる植物なら何でも蜜源になるとは限りませんし、蜜を出す植物があったと
してもポツン、ポツンと咲いているのでは話にならないからです。
例えば、バラや菊などの重弁花(花びらがたくさんある花)といわれる植物は、ほとんど蜜を
出しません。バラや菊は、花畑などで沢山咲いているのを見かけることがありますが、「バラ
のはちみつ」や「菊のはちみつ」なんて聞いたことありませんよね。

はちみつを採るにはどれだけの蜜源が必要か?

ひと昔の日本の田園地域では、一面に咲くレンゲの花が春の風物詩でした。
レンゲは、農作物を育てるための栄養素であるリンを空気中から取り込むため、レンゲを土に
混ぜ込めば天然の良い肥料になることから「緑肥」といって重宝されたものでした。
化学肥料が発達した現代では、春の田んぼにレンゲが咲いている風景はほとんど見かけなくなり
ましたが、レンゲも重要な蜜源植物なのです。
レンゲの綺麗な透明感あふれる色とクセのない上品な甘味は、日本では最高級品とされるはち
みつの王様です。

そんなレンゲのはちみつを採蜜するのには、一体どれだけのレンゲが必要なのでしょう?
養蜂家の定説では、みつばち一群(巣箱一箱で3〜5万匹)に50アールのレンゲが必要だといわ
れています。1アール=100uなので、50アールだと5000uということになります。
5000uといわれてもピンときませんよね。大体テニスコート19面分です。
他には、ミカンならば10アールから20sの花蜜を出すといわれますし、クローバーでは50アー
ルから30sの花蜜を出すといわれています。
花蜜をたくさん集めても、はちみつになる過程で水分が飛ばされて濃縮されるので、花蜜の半分
の量になってしまいます。それだけ広い蜜源があったとしても、はちみつが摂れる量はそんなも
のなのです。

木本蜜源は気まぐれなのか?

レンゲやクローバーなどの草本蜜源の他にも、アカシア、トチ、シナノキ、クリなどの木本蜜
源も重要な蜜源です。長い期間ちょっとずつジワジワと蜜を出す草本蜜源に対して、木本蜜源
は短期間にドバッと蜜を出すのが特徴です。
木本蜜源植物がたくさん蜜を出した年は、ミツバチがよく働いて受粉を行うため、沢山の実を
付けることになります。しかし、その結果、栄養が実の方に行き過ぎるため木が疲れてしまい、
翌年は休んであまり流蜜しなるのです。
では、その次の年はたくさん蜜を出してくれるのかというとそうでもなく、ケンポナシは3〜4年
に一度の流蜜といわれますし、クリやシナノキは虫害で流蜜が止まることもあるので厄介です。

流蜜には気候が大切な要因

いくら蜜源植物が豊富でも、気候が悪ければ話になりません。それは、植物が蜜を出す仕組みに
気候が大いに関係があるからです。
まず、植物がどうやって蜜を作っているのかというと、根から水を吸い上げて葉っぱで大気中の
二酸化炭素を吸収し、光合成によってデンプンを作ります。デンプンは夜になると糖分として、
その植物のエネルギー源になったり蓄えられたりしますが、それが蜜腺から出たものが花蜜なの
です。よって、曇り空が続けば光合成ができず、蜜も出なくなるのです。
また、気温や湿度も重要で、流蜜の最適温度は植物により違いがありますが、20〜30℃が必要
です。また、空気中の湿度や土の湿度が低下すると流蜜しませんし、逆に高すぎても蜜の濃度
が下がるのです。
よって流蜜に必要なのは、適度な日照時間と気温、それに適度な雨ということができます。
また、晴れて気温が高かった日の夜が冷え込むと、翌日に沢山の蜜を出すといわれています。
これは、光合成でデンプンが沢山つくられても、夜に冷え込むと植物の成長活動が抑えられる
ために消費できず、余ったものが翌日に蜜として出るからです。
このように養蜂業は、豊富な蜜源を手に入れたとしても、気候の良し悪しでその年の成果が変
わってくるため、ギャンブル的な要素がとても大きいといえますよね。
はちみつの値段が高いのも頷けるというものです。